光波画像計測研究室






「全空間画像計測プロジェクト」

「全空間画像計測プロジェクト」の概要

 品質を向上させて競争力のある製品づくりを行うためには,外観検査や内部欠陥検査は重要な要素になります.また,大型構造物の微小な変形や地盤の変位を計測することで,インフラの長寿命化や防災・減災に役立ちます.さらに,光や画像を利用することで,高速・高精度にこれらの検査や計測を行うことができます.和歌山大学では,これまでに得られた画像計測に関する研究成果を発展させ,多くの産業分野に技術移転を行い,社会に貢献するために,「全空間画像計測プロジェクト」を創設しようとしています.
 これまでの研究成果としては,高速かつ高精度に三次元形状計測ができる新技術を始め,大型構造物の微小な変形や地盤の変位を計測するできる手法,ひずみの分布を計測することで構造物の欠陥検出を簡単に行うことができる手法などを開発してきました.これらをベースにし,さらに関連する特長ある研究と技術,研究者を集約することで,多くの産業分野へ技術移転できるシーズに発展させていきます.
 このような技術は,製造物の形状検査や欠陥検査,建物や橋梁など大型構造物の検査,マイクロマシン等微小物体の挙動解析,医療福祉への応用,農産物の分類,考古物や文化財の三次元記録など,多くの産業分野で活用することができ,今後,日本の産業の活性化と競争力の向上が期待できます.インフラの長寿命化や防災,医療福祉分野への適用によって,安心できる社会への貢献も期待できます.
 従来のように大学の研究室単位で活動しているだけでは,研究を広い範囲に発展させ,多くの産業分野へ技術移転させることは,マンパワー的にも予算的にも困難です.それを実現するためには何らかのグループを形成して活動をする必要があります.そこで,研究開発チームをつくり,産官学の連携やコンソーシアムの形成,外部の研究開発機関との協力体制を深めることをしていきたいと考えています.政府系の大型研究予算を獲得するためにも,これからは産官学連携が必要になります.以上のことの実現をめざし,本プロジェクトを発足させます.
1.「全空間画像計測」とは
 実際の構造物は三次元構造をしています.本プロジェクトでは,物体表面だけでなく,内部情報も超音波画像やCT画像のように画像として計測することをめざしています.そこで,物体の外部と内部の両方を画像により計測することを「全空間画像計測」と名付けました.
2.「全空間画像計測プロジェクト」の目的
 これまでに得られた画像計測に関する研究成果を格段に発展させ,産業の発展に貢献するために,次のことを目的として活動を行います.
  • 実用化をめざして最先端の研究開発を行う.
  • 多くの産業分野への技術移転と人材養成ができるしくみをつくる.
  • 産業の活性化、新しい産業の創出に貢献する.
3.活動内容
 本プロジェクトでは,先端研究によって従来手法では実現できない超高速・超高精度な計測を行うためのブレークスルー技術の研究を行います.先端研究では国内・国外から優秀な研究者を集め,チームを組んで進めていきます.当面のテーマとしまして,三次元物体における形状・変形・応力・ひずみなどの計測や欠陥検出を高速かつ高精度に行う技術の発展と実用化を行います.将来は,さらに全空間画像計測技術を利用した生体現象の解明なども行っていきたいと考えています.
 得られた研究成果を用いて,防災・インフラ構造物の長寿命化への応用,産業生産物・加工品の検査への応用,人体計測・医療や福祉,服飾への応用を主とした応用研究を行います.更に技術移転として,連携企業技術者や研究者への技術研修と人材養成を行います.新技術を産業界に迅速に普及させるために,新技術のコアとなる部分を集約してユニット化した部品やデバイス,ソフトウェアを製造販売する大学発ベンチャー企業を設立します.
 また,本プロジェクトに関わる研究開発テーマについては,可能なところから積極的に予算獲得を行って実行に移していきます.企業との共同研究も可能なところから順次取り組んでいきます.
4.位置づけと特徴
 本プロジェクトを和歌山大学内に創設します.和歌山大学で活発に活動している研究グループや他のプロジェクトなどと連携することで,和歌山大学の持つ資源を積極的に活用します.また,外部の研究開発機関や企業との人的な交流を積極的に行います.
 産官学連携としてコンソーシアムを形成し,最新の技術情報の交換や人脈形成の場をつくります.企業は本コンソーシアムに参画することで,最新の情報や人脈形成,技術研修への参加,特許ライセンスの利用,試作装置の利用ができ,全空間画像計測技術を効率よく導入することで,事業に活かせていただくことができるようになります.
 本プロジェクトの特徴は,研究だけでなく,全空間画像計測技術の発展と普及を行うために,新技術の研究開発から技術移転のための技術研修・人材養成をトータルに行う点にあります.
5.スケジュール
 まだ予算的な裏付けがない状態でプロジェクトをはじめますので,スケジュールは流動的です.当面は次のように進めて行くつもりです.産官学連携やコンソーシアム形成,共同研究など,可能なところから進めていきます.

2009年2月説明会の開催.プロジェクトの発足
2009年3月 予算申請(国土交通省)
2009年3月プロジェクト創設に関する調査報告書(JST)作成
2009年8月大学発ベンチャーの発足
2009年10月コンソーシアムの発足,産官学連携体制の強化
2009年上半期予算申請(JST,NEDO,経済産業省ほか)
2009年下半期予算申請(科研ほか)
2010年予算獲得による研究開発チームの拡充
6.運営
 運営事務局は,当面の間,和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科光波画像計測研究室に設置します.

 担当者連絡先:
 和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科 藤垣元治
 〒640-8510和歌山市栄谷930
 Tel:073-457-8176(不在時は8517) Fax:073-457-8213
 

「全空間画像計測プロジェクト」の概要(PDF/388KB)

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